日 時
2020年10月7日(水) 10:30〜12:00
発表者
細谷 篤志 (千葉大学環境リモートセンシング研究センター 修士2年)
題 目
InSARによるモンゴル ハンガイ山脈周辺における地表面変動解析
要 旨
昨今の気候変動により、モンゴルでは気温の上昇や降水量の減少が起きている。これに伴い土壌が乾燥し、家畜の餌となる牧草の成長不良が見られ、家畜に十分な草を与えられずゾド(乾燥した夏の後に厳しい冬が続く気象状況)により死亡する問題が発生している。モンゴルでは国土の約63%が永久凍土に覆われ、水資源の供給の上で重要な役割を果たしている。これまで光学センサーや現地調査による永久凍土層の熱変動や分布といった研究は行われているが、SAR衛星を用いた永久凍土層の変動については研究されていない。そこで本研究では、モンゴル域においてSAR衛星を利用した永久凍土層の変動を試みた。具体的には、ハンガイ山脈周辺 チュルートにおける地表面の季節変動と経年変動をC-band Sentinel-1とL-band PALSAR-2の干渉画像を作成し、比較した。
Sentinel-1による時系列解析では、5月から活動層が融解し沈降し始め、10月に凍結し隆起し始める傾向が見られた。またPALSAR-2による季節変動と比較すると、沈降量に違いはあるものの、変動箇所には類似性が見られた。PALSAR-2の経年変動では、年間で-5~3 cm/year程度の変動が得られた。変動箇所としては、主に河川や湖畔周辺で沈降が見られた。また一部ピンゴと思われる隆起が確認できたが、過去の研究でもともとサーモカルスト湖があった場所であったため、排水したのち隆起していっているのではないかと思われる。Sentinel-1との比較では2019年から2020年にかけての経年変動は類似性が見られるが、2017年から2019年にかけての経年変動では見られなかった。
発表では今後の光学センサーとの比較検証や干渉SAR時におけるGCP点などについて議論を深めたい。
