第18回PAWCs月例オンラインセミナー

日 時
2021年12月1日(水) 10:30〜12:00

発表者
立花義裕(三重大学大学院 生物資源学研究科)

題 目
シベリア横断型波動に及ぼすアフリカサヘルの雲活動の遠隔影響

要 旨
 シベリア上空の亜寒帯前線帯の大気の大規模な停滞性の波動(シベリア横断型波動)が夏期に顕著になりつつある。この停滞性の波動は南北流を伴い、南からの暖湿空気塊の流入や北極海からの水蒸気流入を促進することから、シベリアの水循環を理解する上で重要である。この波動はオホーツク海高気圧や、日本の猛暑にも関連し、さらにヨーロッパの猛暑や高緯度域の森林火災にも影響を及ぼす。今年の夏(2021年)や2010年猛暑、2018年の西日本豪雨や史上最高の猛暑年もこの波動が顕著であった。我々はこのシベリア横断型波動の発生原因に関する説を発表した。その説とは、アフリカサヘルに広域に降雨をもたらす対流性の大規模な雲活動に伴う潜熱解放のからの遠隔影響である。雨期のサヘル地域の降水が多い年ほど、シベリア横断型大気波動が顕著になる。これをデータ解析と簡便な数値模型実験で示した。また、夏の北極振動指数が正の状態の時(亜寒帯ジェット気流が強いとき)ほど、サヘルの遠隔影響に伴うシベリア横断型大気波動が顕著になることも示した。